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Green Fortress

プログラマーのポエム隔離所

コナミと小島秀夫監督の関係について考える

METAL GEAR」シリーズを始めとした数々な作品を送り続けてきたゲームクリエイターである小島秀夫氏と、所属企業であるコナミとの対立が表面化している。 これらはメディアを通して見ることができる情報だけでも、小島プロダクション閉鎖、新作での小島プロダクションのロゴの削除、The Game Awards 2015への出席を拒否する社内命令など、枚挙に暇がない。

コナミはゲームメーカーの中でも利益を重視する姿勢が強く、だからこそ今まで生きてこられた企業とも言える。 この日経の記事にもあるが、経営にあたる創業者がゲーム事業を「恥ずかしいこと」として捉えているのは任天堂セガなど、競合他社とは一線を画す。

www.nikkei.com

言うまでもなく、資本主義社会で企業に求められているのは利益を計上することである。その点においてはコナミが利益率のよいソーシャルゲームを重要視することやフィットネス事業などに多角化することを責めることはできない。 一方でコンシューマゲームを取り巻く環境は年々厳しさを増し、開発費がかかるにも関わらず市場が縮小して利益が出ない事業と化してしまっている。 特に小島監督は評価の高いクリエーターである一方で多額の開発費を惜しまない点では事業家としては問題があるのかもしれない。

しかし私はこの件でコナミという会社を評価することはできない。利益を求める姿勢を批判するつもりはないが、この20年培ってきた家庭用ゲームというコアコンピタンスを余りにも軽視しているからだ。 同様の問題を抱える企業にソニーが挙げられる。かつては黒物家電の雄であった会社であるが、時代の流れとともにPC事業を売却し、モバイルやTVも苦戦し今やグループで成績の良い事業は銀行や保険といった有様である。こうなってくると一体何の会社かわからない。

リスクヘッジ事業拡大の観点で経営を多角化することはよいことであろうが、それぞれがシナジーを生み出さないと巨大な企業体はお互いに足を引っ張り合ってしまう。*1

コナミの場合は家庭用ゲームやアーケードゲームで培ってきたブランドをモバイルゲームに投入するのは順当なシナジーと言えるだろう。だが、フィットネス事業はどうだろうか。 Wikipediaによると、フィットネスマシンの開発にもコナミがゲーム事業で培った技術が生かされており、IT健康管理システム・e-エグザスを導入している。*2とのことである。当面は利益を維持し続けられるだろうが、先に述べた小島監督をThe Game Awards 2015へ出席拒否した件では海外ゲーマーからの極めて強い反発があり、Twitterのトレンドキーワードは"FuckYouKONAMI"で埋め尽くされた。ゲーム事業やこれまで育んできたユーザーを軽視する姿勢を崩さないままコナミが企業としての強さが維持できるのか筆者には大いに疑問である。