Green Fortress

プログラマーのポエム隔離所

Twitterは「No Hate」よりも先にやるべきことがある

昨今、Twitterでアカウントの凍結が増えており、活動家からエロ絵師にITエンジニア、そこらへんのツイッターオタクに至るまでが凍結されるたびにTLがにわかに騒然としている。

例えば自称リベラルな連中は差別主義者*1の撲滅に忙しいようでTwitterにぎゃーぎゃー申し入れをしており、Twitterの代表もこれに応えたのか「No Hate」を打ち出して方針を明確にした。

もっとも、その凍結対象には自称リベラルな手合いも一部紛れ込んでいたので自分で自分の首を絞めるコントも一部では繰り広げられたらしい。これらはエロ絵師や相互フォローの知人の心配をしている自分にとっては対岸の火事にすぎない*2のでTwitterの代表はずれているなと思っており*3、そのことをDisったツイートがほんのり伸びた。

江川紹子氏などは言論プラットフォームとしてのTwitterの対応を批判しており、それに対し、それなりのユーザーが一企業のTwitterにそんな義務はないと批判を返している。

自分が論じたいのは言論プラットフォームがどうたらということではない。 ただ単にこれだけ節操なくアカウントが凍結されるとSNSとして根本的に信用ができず、言論以前のもっとカジュアルな事項でつぶやきたいことをつぶやけなくなることやそこで得た情報をいきなり失うことのリスクを強く危惧しているし、少なくないユーザーが同様の危惧を抱いているのではないかと考えている。

ここ数日の凍結では凍結に該当するツイートの抽出なども行うようになったとはいえ、未だ機械的に事前の警告もなくアカウントを凍結している事例も発生しており、そのたびに一般ユーザーからの信用を失っていると捉えるべきだ。

今の凍結の仕組みがどうなっているのかは知らないが、大量のデータを捌いているので誤検出の割合がわずかであってもユーザーの目線からはたくさんのユーザーが凍結されてしまうように見えるし、次は自分なのではないかという疑念を禁じ得ない*4。プログラムにせよ人の手にせよこれだけ誤検出するんだったらまずは警告を送ったり脅迫していないことを誓約させるような漸進的な対応をするべきであり、いきなり永久凍結するような雑な振る舞いをするべきではない。

また、Twitter自体苦境に喘いでいるとはいえ、ユーザーが集まり多くの投稿をするからこそ広告収益が得られ、データを活用した関連ビジネスに活かすことができる。

ユーザーが離れて過疎ったり、あるいは自分の言いたいことを言えなくて虚飾と欺瞞にまみれたりするようなSNSから一体何が得られるというのか。 トランプの当選も、Brexitも声の大きい人が作ってきたなんとなくの世論と実際の投票行動は一致しなかった。 「ツイートを分析してもユーザーの建前と本音が異なるので役に立ちませんでした」では話にならない。Twitterからユーザーの本音が得られないことで損するのは彼ら自身である。

Twitterが第一にやるべきことは「ユーザーの不安の払拭と信用の回復」であり、ヘイトがどうたらなどということを心配している場合ではない。

しかしだ、ここまで書いておきながら日本法人には凍結のオペレーションに関与できないのではないかという説が聞こえており、このチラ裏意味ないじゃんという感じである。英訳するか?

*1:そりゃいることはいるがあんな誤差みたいな存在の対処のためにこちらに迷惑が及ぶのは御免被る

*2:とはいえ事の発端は彼らなんじゃないかと考えると余計な事しやがってという思いは強い

*3:それに加えて肩書が一切書いてないことや認証マークがないことなどが「この人は代表を名乗っているだけの一般人なのではないか」との疑念を最初に抱いた

*4:例え暴言とは無縁な人間でも童貞を殺す服だのそげぶだのピリヨだけを殺す機械だの「殺す」を含むスラングと一切関りがないと断言できるユーザーはそうはいまい