Green Fortress

プログラマーのポエム隔離所

無に300万円消費した(住居を買い換えた)

この記事はしゃみ主催の【自分のことを好きなだけ話す Advent Calendar 2021】 20日目の記事です。

30代も半ばを迎えつつあり全く結婚の気配も見えない中で好き勝手バクシンしている報告をします。

前の住居について

現居は分譲マンションの1DKに住んでいるんですが、その前にさらにもう1つ前のアパート暮らしについて説明する必要があります。

来歴については過去記事見ればわかるんですが、突然20代後半にして定職を放り出して大学生をやっていた時期があり、とにかくキャッシュフローを抑えたいがために家賃3万円台の築古駅遠アパートに4年くらい住んでいたわけですがこれがヤバい。

まず、急な引っ越しによって平米数を抑えすぎたせいでスペース管理が完全に破綻して足の踏み場がない。

次に、風通しが最悪で、湿気が異常に籠もる。風通しが悪い物件に住んだのが初めてだったため、衣服にカビが生えた時はかなり動揺しました。

ここまではまだなんとか我慢が効いたんですが、最後の極めつけはラスト1年位で上の住民が異常な騒音を垂れ流して私の睡眠を破壊してくること。

さあこれから寝るぞって深夜2時台3時台に連日騒ぎ出し、楽器をかき鳴らされるのは正直気が狂いそうでした。

何でもいいからここを早く出たい!そんな私の心に闇の手が忍び寄ってくるのです…。

現居について

2019年の夏頃、私のアパートの玄関に現れたのは不動産営業でした。

さて、ではここでマンション営業の謳い文句をおさらいしておきましょう。

  • 家賃と同じ支出で資産が形成できる!
  • 一旦住んだら貸すことも視野に入れられる!
  • 生命保険代わりにもなる!

個々の内容についてはのちのち総括をしますが、私は住みたい立地で今より広い住戸に住める、そしていざとなったら貸せる、という択がとても魅力的に写り、激安家賃のおかげである程度金は溜まっていたのもあって、(当時の知識なりに)頑張って調べては多分大丈夫とばかりに不動産購入契約を締結したのです。

ですが、まず皆さんには不動産業界に関する大事な原則を共有しておきましょう。

それは、向こうからくる話はクソということです。

とはいえ、強い言葉が印象に残るかもしれませんが私は現居の暮らしにはそこそこ満足しています。ブランド的には分譲マンションの中では一番の小物レベルですが腐っても分譲。そこらの賃貸では及びもしない生活ができていることは実感しています。

風呂で足が伸ばせないこととテレワーク考えるとちょい狭いことと前の住居ほどではないけどたまに隣人がヒャッハーするあたりはこのまま住み続けるの無理だなーって要素ですが、これは根本的にもっと生活のグレードを高める欲が出ただけで、分譲1LDKならどこでもあんまり変わらないと思います。

では何がクソかといえば、利回りです。不動産における利回りは家賃価格と物件価格の割合によって計算されます。利回りがクソというのはどういうことかというと、買ったら高いくせに貸したら安い、ということです。物件相場と家賃相場の分布には若干歪みがあり、特に郊外エリアは物件価格に対して家賃相場が付いてこれないエリアが比較的多いことに注意しないといけません。現居は市内ではかなり好立地の部類ですがそれでもなお”足りてない”んですよね。

利回りがクソであることによって生じる問題は、自分で貸した時に儲けづらいことと、高く売れないことです。はっきり言ってしまえば私の最大のミスは同じ価格で都心好立地の単身用物件が買えたことに気づかずホイホイ誘いに乗ってしまったことです。

もう一つの問題は、私はこの物件を契約するとき、50年ローンを組むという選択をしました。もともと私は将来的なインフレを強く警戒する立場なので借金に対する抵抗はこの時期には薄くなっており、どうせ独り身だから借金は極限まで引き延ばせという基本原則に従ったのです。これにも問題がありました。

まず、私の現居は利回りがクソすぎるので35年住宅ローンですらローン支払い額の方が家賃よりも高くなってしまうといううんち物件です。なので50年ローンなら支払額を抑えてワンチャンいけるかもという目論見でした。

ただまあ、期間が長すぎると金利0.5%でも支払額に対する利息の割合が大きすぎてなかなか残債が減りません。不動産を住み替えることを前提にする場合、残債消化のスピードと物件の売却価格とのバランスを保つことが重要で、50年だと残債消化が遅れすぎる傾向にはありそうです。なので一生借りっぱなしにできる場合以外は50年はやめといた方がいいかなという結論に達しました。

そして何より、ちょうど私が家を買ったのと同じ頃にかぼちゃの馬車問題が発覚し、ろくでもない不動産会社とろくでもない銀行が住宅ローンで投資用物件を買わせるスキームが明るみになり、金融庁がキレたせいで住宅ローンの契約のまま物件を貸し出すことを金融機関がめちゃくちゃ警戒するようになりました。

私も住宅ローンで契約した物件を貸す際のハードルについては理解して契約したので、金融機関を納得させる事情*1は必要なら作り出すくらいの気概ではいましたが、後述の買い換えを見越した住宅ローンの事前審査を通じて、私の与信だと物件を貸しながらもう1件住み替えることがかなり困難であるという見込みも立ってきました。

また、購入するまでは面倒見てくれた担当営業も物件が引き渡されてからはお前はもう用済みだ、とばかりの塩対応をするようになったことで自分の立場を理解しました。会社としてはちゃんと物件のアフターサポートはやってくれたのでそれはいいんですが、少なくとも営業の時に私にかけた言葉が甘言であることはいくら察しが悪くて夢見がちで自分の都合のいい現実しか認識できない私でも理解をするべきフェーズに達しています。

いざとなったら貸す、という択がほぼほぼ潰されたことによって現状維持は辞めたほうがいい、という結論が概ね導き出されました。それはそれとして住み替えはポジティブにやりたいのでどういう物件に住み替えたいかという未来の話を次項でします。

新居について

私が分譲住宅に求めることはだいたい以下みたいな感じです。

超重要

  • 風呂で足が伸ばせる(=サイズが1418より大きい)
  • 高い防音・断熱性能
  • 24時間ゴミ出し可能

重要

  • 買い物が便利(大規模な商業施設に近い)
  • 外食の選択肢が多い
  • 駅が近い
  • ハンズフリーキー
  • なんとなくゆとりがある(≒山手線の外)
  • ストレスなくインターネットできる(ネット対戦含む)

あると嬉しい

  • 眺望がいい
  • 災害耐性が高い

そしてここまで書いて太字で強調しているにも関わらず今回風呂サイズを妥協しました。 私は単身なのであまり広い部屋は必要なく、風呂サイズとの両立が難しいので今回はそれ以外の面で評価が高そうな物件を選ぶことでマンションすごろくを刻んでいこうという狙いです。 ただし、都心アンチで郊外派の私が評価高い物件を選びに行くと相当物件絞られるのでこれ以上の詳細は控えます。 もっとも、初手からしくじって損切りしている私がすごろくできるんかいなという疑問はありますが。 いつか住めるとしたら豊洲有明に住んでコミケに徒歩で行きたい。

売却活動について

さて、新居となる物件を見繕い、抽選を辛うじてすり抜けて契約をしましたがローンの事前審査を通した銀行からは「現居の売却」を条件として求められました。そこで仲介業者を使って売却をする必要があります。 今回は不動産会社の人が気を使ってくれたというか、資金面で綱渡りしている私に釘を指したというか、「3ヶ月以内に売却できなければ契約解除」という条件が付与されました。いわゆる停止条件付きというやつで、契約解除の場合手付金を変換してくれるので本来は買主に有利な制度です。 ただし、困った点もあって、売却期間や仲介業者を一方的に指定されるという欠点があります。今回は売主のグループ会社を充てがわれたわけですが、明らかに土地勘ないだろというのが売却活動のなかでもありありと伝わってきたのでできたらこの人達には任せたくなかったなあというのが本音です。 もともと、売却時の査定では数社に見積もりを取ったところ、1社が強気(買った値段以上で売れる)、1社が弱気(残債割れする)、そして依頼した会社がその中間くらいの評価でした。 現在不動産市況が過熱気味ということもあり、どうせなら買った金額よりも高くワンチャン取りに行きたかったんですが、結果は1割マイナスになり、残債が若干残りました。最初に内覧した人は予算面ではいい感触だったんですが間取がクソだったためにベッドが置けない点でNGとなり、間取がいまいちな物件を買うというのはこういうことかというのを実感しました。 エリア×単身向け物件という属性のバランスの悪さ故に集客結果がいまいちで(そもそも自力集客できない業者が専任媒介契約強いるなんて論外だと思いますが)、今回買い換えの契約を解除しても長く住めば住むほど不利になりそうという感触があったため、断腸の思いで思いっきり足元を見てきて指値入れてきた契約を受けるという決断を下しました。 この物件を買ったことは私の自己責任ですが、売却任せた業者にはいっぺん本気でキレたほうがよかったかなぁという悔いが少しあり、仲介手数料払う気起きねえとゴネればよかったというしこりが残っています。

総括

勉強代としてはだいぶ高い金払ったなあと思います。 実際今でもインフレを見越した上で住宅を保有するべきという立場自体は変えておらず、いざというときに貸したり売ったりする際に高い評価を得られる物件を掴んでおきたいなあと思っています。(まあ私は単身なので団信の生命保険はぶっちゃけどうでもいいのですが) これでトントンならニコニコだったんですが、運を引き寄せる上でいくつかの要素が足りなかった。 当面は残債消化と住み替えなどで相当金の工面を頑張る必要がありますが、資産と信用力を向上させて将来はさらに住みよいすみかに引き込もれるようになることを目指していきたいと思います。

*1:結婚とか、親の介護で実家に帰る、とか